国会議事録

 ━ 移民・入管・人口関連


2024.5.15「第213回国会 衆議院法務委員会」 (総理大臣 岸田文雄)

●  国家戦略ということで申し上げるならば、政府としては、国際的な人材獲得競争が激化する中で人手不足の課題に対応するため、我が国が魅力ある働き先として選ばれる国となるよう、外国人材の受入れ制度の魅力向上に取り組んでいく、こうした方向性を追求するとともに、日本人と外国人が互いを尊重し、安全、安心に暮らせる共生社会を実現していくため、外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ、これらに基づいて、受入れ環境の整備等、外国人との共生社会の実現に向けた取組を着実に進めていく、この二つの大きな方向性、これを政府として追求することが重要であると考えております。


2024.5.15「第213回国会 衆議院法務委員会」(総理大臣 岸田文雄)

●  まず、滞在期間が短い外国人の場合は、年金保険料の納付が老齢給付に結びつきにくいという特有の事情を踏まえて、一定の要件を満たした場合には脱退一時金の受給が可能となっています。その一方で、長期間日本に滞在することが見込まれる永住者の方については、委員御指摘のとおり、将来の年金受給権を確保するという観点も重要であると考えます。本年三月に厚生労働省の社会保障審議会年金部会において、脱退一時金に関する議論、これを開始いたしましたが、その中で、この年金部会の中では、日本に生活基盤を持つと考えられる永住者資格の方について脱退一時金の支給を制限していく方向性は賛成という意見があった一方で、現行制度において、永住者は海外在住期間が合算対象期間として老齢年金の受給資格期間にカウントされることから、脱退一時金を受給するケースはそもそも限定的であり、必ずしも改正の必要はない、こういった意見もあったと承知をしております。引き続き、次期年金制度改正に向けて、必要な検討は続けていきたいと考えております。


2024.5.15「第213回国会 衆議院法務委員会」(総理大臣 岸田文雄)

●  今般の永住許可制度の適正化は、永住者について、永住許可後に在留審査の手続がないことから生じている課題に対応するというものです。すなわち、適正な在留管理の観点から、永住許可後に故意に公的義務を履行しないなど、永住許可の要件を満たさなくなった一部の悪質な場合について、その在留資格を取り消すことができるとするものであり、適切に公的義務を履行して日本で生活している大多数の永住者に影響を及ぼすものではないと考えています。その上で、本法案による改正後の永住許可後の在留審査に当たっては、従前の公租公課の支払い状況や現在の生活状況など、対象者の置かれている状況を十分に考慮し、個別の案件ごとに悪質性を判断するようにしておりますし、永住者の在留資格の取消しをしようとする場合であっても、原則として、法務大臣が職権により定住者の在留資格への変更を行うなど、慎重な運用に努めてまいることが重要であると考えております。


2024.5.15「第213回国会 衆議院法務委員会」(総理大臣 岸田文雄)

●  一定期間の在留期間後、出国することが予定されている外国人に家族帯同を認めるか否か、これについては、本人の扶養能力、あるいは医療、あるいは子女教育の受入れ環境、こういった視点も踏まえる必要があると政府としては考えています。この点、育成就労及び特定技能一号の在留資格については、技能等を身につけてステップアップしていかない限り帰国していただくこととなる制度である、こういった制度でありますので、これは、家族帯同についてもその点を考慮する必要がある、このように考えたわけであります。ただし、現行制度でも、人道上の配慮の観点から、個別事情に応じ、特定活動の在留資格を付与して在留すること、これは認められております。育成就労制度においても、個別事情に応じた人的な配慮、これは当然行われていくものであると考えております。


2024.5.15「第213回国会 衆議院法務委員会」(岸田総理大臣)

●  政府においては、我が国の経済社会の活性化、また一層の国際化、これを図る観点から、専門的、技術的分野の高度外国人材の受入れについて積極的に推進しているところです。御指摘の受入れ数目標、こうした数の目標は設けていませんが、私も総理になってから後、直接指示をさせていただいて、令和五年四月に、一定の学歴、職歴と年収を有する者を優遇する特別高度人材制度、これを創設しました。また、海外の有名大学の卒業生を優遇する未来創造人材制度、これも創設をいたしました。こうした制度を運用することによって、高度人材の受入れを進めているところです。引き続き、世界の人材獲得競争に負けないよう、また、人材受入れ制度を世界に伍する水準に改革していくよう、必要な措置を講じてまいりたい。


2024.5.14「第213回国会 衆議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 丸山秀治)

●  地方出入国在留管理局におきましては、一部の地方自治体から協力要請を受けて、在留審査手続において国民健康保険料などの納付証明書の提出を求める取扱いを行っております。具体的には、国民健康保険料又は国民健康保険税の悪質な外国人滞納者について情報提供を受け、当該外国人が在留資格変更許可申請又は在留期間更新許可申請に及んだ場合には、国民健康保険料又は国民健康保険税を納付したことを示す資料の提出を求め、当該資料の提出がない場合には、原則として不許可処分としています。


2024.5.14「第213回国会 衆議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 丸山秀治)

●  まず、現行入管法第24条第4号の2において、特定技能などの別表第一の在留資格をもって在留する者については、一定の刑罰については刑の執行猶予の言渡しを受けた場合、又は、一年以下の懲役、禁錮の刑に処せられた場合であっても退去強制の対象となることが定められております。しかし、現在、永住者は、同号の退去強制処分の対象となっていないため、これらの刑罰については再犯を繰り返しても何ら入管法上の措置ができない者がおり、これに対応する必要がございます。そこで、第24条第4号の2に掲げる特定の刑罰法令違反について、永住者の在留資格の取消し事由として追加することといたしました。具体的には、例えば、刑法上の窃盗、強盗、詐欺、各種偽造、殺人、傷害などの一定の罪に該当し、1年以下の拘禁刑の実刑に処せられた場合などが当たります。


2024.5.14「第213回国会 衆議院法務委員会」(法務大臣 小泉龍司)

●  普通に納税していただいている、通常に生活していただいている永住者にとって、何も恐れることはありません。何も怖がることはありません。ですから、悪いことをされる人たちがいるので、それをしっかりと除外する。そういう方々を排除するための法律なわけであります。そして、そういう方々がいると、国民から多くの誤解を招く、善良な方々も、真面目にやっている永住者の方々も非常に悪い印象を持たれてしまう、それを防止する必要があります。ごく一部の悪質なケースに絞っているということを是非念頭に置いていただいて、そしてそれを周知しなければなりませんね。それは周知しなければならないと思います。まだまだそういう十分な情報がないために、不安を持っていらっしゃる方は大勢いると思います。それは私も分かります。ですから、こういう審議を通じて、また、法案を成立させていただけたとしても、その後もしっかりと周知、広報、理解を求めていく、まさに非常に重要なことだと思います。努力します。


2024.5.14「第213回国会 衆議院法務委員会」(法務大臣 小泉龍司)

●  悪質なブローカーと手を組んでいることが明らかな、そういう事実認定が客観的にできるようなケースであれば、これはもちろん排除するということを二国間協定の相手国にも我々は常々伝えねばならないし、またそのように対応していく必要があると思います。ただ、送り出し機関も様々な業務を行っていますので、その正当な、相応の対価としての費用徴収が行われるのであれば、その部分について全否定するということは、これはできないというふうに思います。繰り返しになりますけれども、悪質なブローカーと明らかに手を組んでいる、そして外国人材に大きな実害を生じているということが明らかに客観的に事実認定できるのであれば、それは明確に排除する、その姿勢は当該国にもあらかじめ示していく必要はあると思います。


2024.5.14「第213回国会 衆議院法務委員会」(厚生労働省大臣官房審議官 原口剛)

●  監理団体から送り出し機関に毎月支払われている費用、いわゆる送り出し管理費につきましては、技能実習法令上、監理費の一部として、実習実施者、受入れ機関から徴収することが法的に認められております。この費用は、実習実施者と技能実習生との間における雇用関係の成立の斡旋に係る事務に係る費用として徴収を認めているものです。外国の送り出し機関において、技能実習生の紹介や斡旋を行うのに要した費用、実費を監理団体を通じて実習実施者から徴収しているものでして、技能実習法上認められているものでございます。一方、御指摘ございましたけれども、技能実習法第28条第1項の規定によりまして、監理団体は、いかなる名義でも、技能実習生から手数料を徴収することは禁止されております。また、技能実習法施行規則第14条第3号の規定によりまして、監理費を直接又は間接的に技能実習生に負わせることも禁止されてございます。このようなことから、送り出し機関に支払う費用を技能実習生から徴収することはできない仕組みとなってございます。


2024.5.14「第213回国会 衆議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 丸山秀治)

●  永住者による未納が確認された235件は、審査時点において未納であった件数であり、免除などの納付緩和措置を受けた者は除いております。今般の調査は、許可とならなかった556件について公租公課の未納の有無を確認することを目的としておりますことから、これらの未納の金額や期間についての集計は行っておりません。また、許可とならなかった556件のうち、父母のどちらか一方について永住者による未納があることが審査記録上明らかであれば、今回の235件に含めております。


2024.5.14「第213回国会 衆議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 丸山秀治)

●  永住許可のガイドラインにおきまして、通常、十年以上の在留期間、あるいはそのうち就労資格五年以上というのを一つの目安に持っております。そのうち、育成就労につきましては、そのトータルの十年間の方ではカウントいたしますけれども、就労資格での五年というものには含めない予定としております。


2024.5.14 「第213回国会 衆議院法務委員会」(法務大臣 小泉龍司)

●  外国人材は、労働者として入っていただくと同時に、日本で生活をされる生活者でもあるわけです。我々においても重要なことは、労働者として適切な受入れをすることであると同時に、地域社会、コミュニティーにおいてしっかり受け止める、そして一定の共感をできる、そういう関係をつくりながら、日本で働くことに本来の幸せを見出していただく、それが我々の目指す共生社会の一つの姿かなというふうに思います。経済的な理由で来ていただくんですが、同じ仲間ですよという気持ちを、どのように交換し、伝え合い、信頼関係がつくれるのか、それをどうやって自治体が、国が、バックアップできるのか、そういう大きなテーマがもう一本立っているというふうに認識をしております。


2024.5.14「第213回国会 衆議院法務委員会」(文部科学省総合教育政策局社会教育振興総括官 八木和広)

●  文部科学省において実施している外国人の子供の就学状況等調査結果におきまして、令和四年度の調査結果では、不就学の可能性のある子供の数は八千百八十三人、六・〇%となっており、そのうち、小学生相当は五千二百八十六人、五・五%、中学生相当は二千八百九十七人、七・一%となっております。また、進学率につきましては、文部科学省において実施している日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査において、令和三年度の調査結果では、全中学生等の高等学校等への進学率は九九・二%、日本語指導が必要な中学生等の高等学校等への進学率は八九・九%、そして、全高等学校等の高等教育機関等への進学率は七三・四%、日本語指導が必要な高校生等の高等教育機関等への進学率は五一・八%となっております。


2024.5.14「第213回国会 衆議院法務委員会」(国税庁長官官房審議官 植松利夫)

●  一般論として申し上げますと、国税の滞納整理に当たりましては、納税者個々の実情に即しつつ、法令等に基づき適切に対応することとしておりまして、滞納整理に際し、滞納者の国籍や在留資格に応じて取扱いが異なるといったことはございません。


2024.5.14 「第213回国会 衆議院法務委員会」(法務大臣 小泉龍司)

●  育成就労制度における監理支援団体、これは多種多様な役割を果たすことを期待されております。雇用契約の成立のあっせんから始まって、育成就労の実施に関する監理、入国後の講習の実施、転籍の申出があった際の連絡調整などなど、いずれも身近で実情に応じてきめ細かく、相手が生身の人間でありますので、きめ細かく対応する必要がある、そういう業務が種々多様なものが予定されております。したがって、これを公の機関で担えるかというと、非常に大きな負荷がかかってくる。あくまでやはり民間の監理支援機関に担当してもらうことが合理的であると我々は考えているところであります。仮にこれを国や公的な機関が担うとなれば、まず、膨大な人員、予算、そして新しい仕組み、機構、そういったものをつくり上げるのに何年もかかるかもしれない、そういうことがあります。ですから、監理支援機関の行動を是正する必要は強くありますが、存在そのものを否定する必要性、適切性、相当性はないと我々は判断しております。


2024.5.14 「第213回国会 衆議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 丸山秀治)

●  現行の技能実習制度におきましては、人材育成による技術移転を通じた国際貢献という制度目的を踏まえ、出身国から直接来日いただくことを想定しているため、在留中の外国人が技能実習に資格変更することは想定していないところでございます。これに対しまして、育成就労制度は、人材育成及び人材確保を目的としており、技能移転を直接的な目的とするものではないため、従前の在留資格が留学であった者を含め、他の在留資格からの資格変更を認めることに特段の支障はなく、御指摘のように帰国せずに育成就労に在留資格を変更することを可能とする方向で検討しております。ただし、育成就労への資格変更を無制約に認めるものではなく、例えば、変更前の在留資格がそもそも他の在留資格への変更が認められないものである場合や、育成就労の業務区分について既に特定技能一号水準の技能を修得済みである場合などについては、変更を認めないとする可能性が考えられます。いずれにしましても、今後詳細を検討してまいります。


2024.5.14 「第213回国会 衆議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 丸山秀治)

●  今国会に提出されている番号利用法改正案では、マイナンバーカードの所持者を対象に、当該マイナンバーカードの機能をスマートフォンに搭載し、マイナンバーカードと同様の本人確認ができる仕組みを設けるものと承知しております。一方、在留管理制度においては、中長期在留者全員に在留カードを交付し、これに受領義務及び常時携帯義務を課すことによって、適法な在留資格を持って我が国に在留する者であることや、就労の可否などの情報を即時的に視認できるようにし、適正な在留管理を図っているものです。そのため、現時点におきましては、在留カードの機能をスマートフォンに搭載することは予定しておりませんが、適切な在留管理に資する在留カードの在り方につきましては、技術の進展なども踏まえながら、引き続き検討を進めてまいります。


2024.5.14 「第213回国会 衆議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 丸山秀治)

●  留学生の資格外活動許可につきましては、留学生本来の活動である学業を阻害しない範囲で、アルバイトを通じて留学中の学費及び生活費を補うことにより学業の遂行に資するという観点から、入管法施行規則におきまして、申請に基づき、資格外活動許可として一定の範囲内で就労活動を認めているものでございます。このため、一日当たりのフルタイム勤務約八時間の半分である四時間を算定の基礎とし、これを七日間行うという考え方に基づき、包括的に資格外活動許可を認める範囲を一週につき二十八時間以内としているところでございます。また、あと、資格外活動許可の変遷でございますけれども、ちょっと幾つか御紹介させていただきますと、平成二年時点では、留学、あと、以前は日本語学校を中心に就学という在留資格がございました。留学と就学の者に対して一日四時間以内の包括的な資格外活動許可というのが平成二年の状況でございます。また、平成十年には、留学、大学とか専門学校でございますが、留学の者について週二十八時間以内に変更。さらに、平成二十二年に留学と就学の在留資格を一本化したことにより、旧就学の者についても週二十八時間以内に変更したところでございます。


2024.5.8 「第213回国会 衆議院法務委員会」(法務大臣 小泉龍司)

●  転籍によって人材育成に支障が生ずる、そういうことがない程度に日本語能力が向上している必要がある、それを確認するために、本人意向による転籍時の日本語能力に係る要件を設けております。その際、当該要件は、分野の業務内容等を踏まえて、分野ごとに異なる水準を設定可能としておりますが、これは、就労開始時や特定技能一号への移行時に必要となる日本語能力要件について、分野ごとに異なる水準を設定可能としたことを踏まえたものであって、転籍を不当に制限することを目的としたものではございません。その上で、今後、A1相当からA2相当までの範囲内の水準で新たな試験の導入を検討したいと思っております。これにより、各受入れ対象分野における業務や人材育成の実情に合った適切な日本語能力要件を設定することが可能になると考えております。


2024.5.8 「第213回国会 衆議院法務委員会」(外務省大臣官房参事官 長徳英晶)

●  外務省としまして、移民の定義についてお答えすることは差し控えたいというふうに思いますけれども、海外には多くのいわゆる移民及び難民という方々が存在をしているというのは事実でございます。日本政府としましては、特に外務省としまして、こういった海外の移民及び難民という方々に対して、国際機関などを通じて支援をしているところでございます。日本国内において移民という定義に相当する方がいらっしゃるのかどうかという件については、外務省としましてちょっとお答えしかねるので、御容赦いただければというふうに思います。


2024.5.8 「第213回国会 衆議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 丸山秀治)

●  移民という言葉は様々な文脈で用いられており、明確に定義することは困難ですが、政府としましては、国民の人口に比して一定程度の規模の外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとする政策を取る考えはないところでございます。本法案において創設する育成就労制度は、我が国の労働力不足が深刻化する中、人手不足分野における人材育成と人材確保を目的としており、他方、同制度は、三年間の就労を通じて特定技能一号の技能水準の人材に育成するための受入れであり、特定技能制度と同様に、受入れ見込み数を上限に受入れを行うこととしており、かつ、家族の帯同を認めないことなどからすれば、いわゆる移民政策には該当しないものと認識しております。


2024.5.8 「第213回国会 衆議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 丸山秀治)

●  外国人技能実習機構では、受入れ機関や監理団体に対して定期又は臨時に実地検査を行い、違反等を認知した場合は改善を指導、勧告しており、さらに、違反の態様等に応じて、主務省庁において監理団体の監理許可の取消し等を行っております。監理団体に対する行政処分について申し上げますと、平成二十九年十一月の技能実習法施行から令和四年度末までに、監理許可の取消しが四十三件、改善命令が二十七件となっております。監理団体の許可取消しの原因となった違反事由について、重複も含め、多いものから順に申し上げますと、認定計画に従った実習監理を行っていなかった場合などの技能実習法令違反が十七件、受入れ機関に対する監査を適切に行っていなかったなど監査に関する基準違反が十二件、虚偽の監査報告書を外国人技能実習機構に提出するなど偽変造文書等の行使等に関する基準違反が十件、送り出し機関との間に不適切な契約を締結するなど監理事業を適正に遂行することができる能力を有するものとは認められなくなった許可基準不適合が十件となっております。


2024.5.8「第213回国会 衆議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 丸山秀治)

●  今回、その内容を法案に盛り込ませていただいた事情としましては、永住許可後に適正に納税義務等を履行されていない方が一部いらっしゃるという問題意識の下において立案したものでございます。また、今回、法案成立後にこの手続を開始する前提としましては、未納があるかどうかということは、地方自治体等関係機関から入管に御連絡をいただいたところから手続が開始いたしますので、当然、連絡する前には、それぞれの部署において必要に応じた対応をしていただいているものと考えております。なお、入管としてどのような方をこの制度で取消しの対象とし得ると考えているのかということについては、法施行までの間に十分整理させていただいて、ガイドラインのような形で具体的にお示しし、それを参考にして自治体等から御連絡をいただけるということを考えているところでございます。


2024.5.8「第213回国会 衆議院法務委員会」(法務大臣 小泉龍司)

●  現行の技能実習制度に対しては、国際的にも今御指摘がありました年次報告書の中で、斡旋業者等による技能実習生からの過度の保証金や手数料の徴収の排除、また制度の監督機能の強化、また、本人が希望する場合の雇用先の変更等を可能とする正式なルートの設定、これらが勧告をされています。こうした点を踏まえて、今回の改正法案においては、育成就労制度を創設した上で、手数料等が不当に高額とならないようにするための仕組みの導入、外国人育成就労機構の監督指導機能等の強化、監理支援機関の独立性、中立性の確保、転籍制限の緩和といった方策を講じており、これらにより国際的な指摘に対しても相応の対応を行っていると認識しております。


2024.5.8「第213回国会 衆議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 丸山秀治)

●  従前から、入管庁におきましては、一部の永住者が永住許可後に公的義務を履行しなくなる例があることを、地方自治体の声などを通じて把握しており、問題意識を有してきたところです。今般の永住許可制度の適正化の検討に当たり、令和5年11月から12月にかけて、改めて複数の地方自治体から聞き取りを行ったところ、入管の手続時に未納分を支払う者が多く、未納分を払う際も在留審査でチェックされる分だけを納付し、過年度分を支払わないことが多い、永住許可の申請時に滞納分を支払い、その後再び滞納する永住者がいる、永住者の住民税や国民健康保険料などの納付状況を定期的に確認し、滞納しているのであれば永住許可の取消しなどの対応が必要であるといった声をいただいたところです。また、永住者全体の公的義務の履行状況を調査することは困難でございますが、当庁におきまして可能な範囲として、永住者の実子として出生した者による永住許可申請の審査記録において、永住者である扶養者による公的義務の不履行の有無を確認いたしました。その結果、令和5年1月から6月までに処分がなされた1,825件のうち、許可がされなかった556件を精査したところ、235件について永住者による公租公課の未納が確認されております。


2024.4.2「第213回国会 参議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 丸山秀治)

●  昨年成立しました入管法等改正法では、三回目以降の難民認定申請者は、難民認定申請中であっても、難民等として認定を行うべき相当の理由がある資料の提出があった場合を除き、送還停止効の例外としております。御指摘の難民認定申請の審査期間について、令和五年中における一次審査の平均処理期間は約26.6月となっております。一方で、難民認定申請につきましては内部的な標準処理期間としては6ヶ月としているところであり、例えば過去の事例に鑑み典型的な申立てを行っている事案を始めとして処理期間を短縮するための各種取組を実施し、引き続き、平均処理期間が標準処理期間に近づくよう努めてまいります。その上で、法令に基づく手続の結果、退去強制が確定した者については速やかな送還の実施に努めてまいります。


2023.4.19「第211回 衆議院法務委員会」(出入国在留管理庁次長 西山卓爾)

●  御指摘の質疑において指摘されたトルコ人の方について、我が国の裁判所における確定判決では、トルコ国内における報道に基づき、当該トルコ人は、日本で稼働して得た資金の使途をめぐって家族間で対立を生じ、息子に殺害されたものであるとして息子が逮捕されたことが報道されており、この殺害事件にトルコの捜査機関が関与していることを裏づける証拠は何ら認められないと認定されております。この確定判決における認定のように、親族によって殺害されたことは、一般に、難民条約上の五つの理由による迫害には当たらないと考えております。


2023.4.13「第211回 衆議院本会議」(法務大臣 齋藤健)

●  まず、前提事実の認識にそごがあり、送還された者が捜査機関に身柄拘束された後に殺害されたとの御指摘でしたが、この点、我が国の裁判所における確定判決では、この殺害事件にトルコの捜査機関が関与していることを裏づける証拠は何ら認められないと認定されています。その上で、我が国は、難民認定申請がなされた場合は、申請者ごとに申請内容を審査した上で、難民条約の定義に基づき、難民と認定すべき者を適切に認定しており、トルコに外交的配慮を行って難民認定しないということはありません。